人手不足改善、時間外労働の削減に期待|日通、西濃、ヤマト、日本郵便が繋ぐ共同幹線輸送

  • 2019年11月29日
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2019年3月28日に、日本通運・西濃運輸・ヤマト運輸・日本郵便 の4社が関東〜関西間で共同運送を開始したことを発表しました。具体的な方法としては、幹線輸送でスーパーフルトレーラーSF25を活用するというものです。

私たちの中で従来の輸送のイメージといえば、各社それぞれ、自社のトラックに荷物を積んで目的地まで走るというものでしょう。ですが、この取り組みでは日本通運の荷物を積んだトラクターとヤマト運輸の荷物を積んだトレーラーを連結して荷物を運ぶといったイメージになります。

大きなトラクターが更に大きなトレーラーを引っ張る姿を想像しただけでも、ワクワクしてきますよね。幼少期の僕がその光景を眼にしたのならば、さぞかし興奮したことでしょう。

しかし、今回の発表は幼少期の子供だけが心躍らせるものでは無いようです。日々苦労しながら働くお父さんやお母さんにとっても心躍るような内容が含まれているかもしれません。では早速、実際にどのような仕組みなのかをみていきましょう。

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スーパーフルトレーラーSF25とは?

まずフルトレーラーとは、トレーラーに乗る荷物の重さのほとんどがトレーラー自身にかかる構造になっているトレーラーのことを指します。

このようなフルトレーラーは牽引しなければ前に進むことができない為、専用のトラクターであるフルトラクターによって牽引走行されています。そして今回活用されているスーパーフルトレーラーSF25(以下SF25)はただのフルトレーラーではなく、全長が25メートルにもおよぶ日本最大級のフルトレーラーなのです。

SF25を導入することで、積載量が従来の大型トラックの2倍になります。1台のフルトラクターで2倍の荷物を運べるというわけです。SF25は子供心を躍らせるトレーラーというだけでなく、運送業界がさらなる効率化を図る為の鍵となるものだったのです。

クロネコヤマト公式によるSF25の紹介動画がこちら。

 

物流業界の課題と共同運送の背景

近年、物流業界では幹線運輸を担う大型トラックのドライバー不足ドライバーの高齢化が問題となっています。少子高齢化の問題などによる労働人口の減少から、より一層人材確保は困難になると見込まれている状況です。

更に上記の問題から時間外労働の問題やトラックドライバーの健康に関わる問題まで、耳にする機会が増えました。そんな中、国土交通省はトラック運送の省人化を推進するために2016年9月、「ダブル連結トラック実験協議会」を設置。そこで車両長の基準を最大25メートルまで緩和するなどの実験を実施し、課題である物流業界の人手不足問題等への対応を進めました。

更にその中で、全流協では会員企業の11社でつくられる「スーパーフルトレーラーSF25の共同利用を考える会」を設立し、SF25の共同利用についての調査や研究を重ねてきました。そして2018年10月19日に石井国土交通大臣に対して車両長基準緩和を提言。2019年1月29日に国土交通省によって車両長基準が緩和されました。

このように共同運送が実際に行われるようになるまでには、物流業界の課題や問題について調査研究協議が行われてきた背景があったのです。

共同運送の3つのメリット

共同運送を行う為のSF25について、共同運送に行き着くまでの調査や研究の背景は分かってきましたが、実際に共同運送を行うことによってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。今回は日通、西濃、ヤマト、日本郵便の4社が共同運送を行うことによって生まれるメリットを3つに分けて紹介していきましょう。

事業者の壁を超えた輸送の効率化

SF25の説明時にもお伝えした通り、SF25の導入によって積載量が従来の大型トラックの2倍の量になりました。1度に従来の2倍の荷物を運送できるとともに、異なった事業者のトレーラーを連結して1台の車両として運行できます。このことにより、従来の運送システムよりも更に効率的に大量の荷物を運送できるようになったということです。まさに、事業者同士の壁を超えた運送の効率化と言えるでしょう。

人手不足の改善と時間外労働の削減

事業者に関係なく荷物を運送できることによって、物流業界全体の課題である人手不足への有効的な解決手段にもなりそうです。そして近年よく耳にする時間外労働の問題解決にも繋がるのではないでしょうか。例えば、今までは各社のドライバー4人が別々のトラックで運送していたとするとSF25を使用することでドライバーは2人で済みます。

単純に考えると荷物を運ばなくても良くなった2人分の労働時間が浮くということです。この時間で残りの2人が休暇を取得したり、ドライバーひとりひとりの労働時間から差し引けば過度な労働時間や人手不足による休日出勤などの問題も解決できるのではないでしょうか。

地球環境問題への貢献

また従来の運送システムよりも車両の台数が減少することによって、オゾン層の破壊が引き起こす地球温暖化の原因ともなるCO2(二酸化炭素)の排出量削減にも貢献しています。2倍の荷物を牽引することで1台あたりの排気ガス排出量が多少増加しても2台で走るほどではありません。共同配送がまた別の場面でも行われるようになれば、更なるCO2の排出量削減に期待できそうです。

未来へ繋がる共同運送

このように物流業界の人手不足問題だけでなく、労働時間問題や世界規模の地球環境問題の解決にも繋がっていくであろう共同配送。

初めに実践したのは日通、西濃、ヤマト、日本郵便の4社ではあるものの、今後はまた別の運送会社や物流以外の業界での実施や試みにも期待していきたいところです。やはり、ズラリと繋げたトレーラーに心が躍るのは子供たちだけではありません。物流業界に関わる世の大人たちもまた、自身や地球のためにいつも乗っているそのトラックを繋げてみてはいかがでしょうか。

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